キクチ・ヒサシ

文化と芸術を言祝ぐ『コトバの塔』

聖徳太子

「聖徳太子へのお手紙」:コトバの塔建築に際して、四天王寺、番匠器名号を御守りとさせていただきます。

2016/07/09

コトバの塔建築に際して、番匠器名号を御守とすることにしました。百済より大工技術を聖徳太子が持ち込んだことから、聖徳太子は、大工技術の始祖であるとされています。四天王寺の七堂伽藍を創建するとき、大地に対する慈悲から、金槌、のこぎり、錐など、大工道具(番匠器)を使って「南無阿弥陀佛」の名号を創り、工事の安全と建立を祈ったと言われています。実物は、宝物館に収蔵されています。コトバの塔の安全祈願と人々の平和を祈り、わたしのサイトの御守りとさせて頂きます。

2016-06-15 18.41.35

聖徳太子へのお手紙

はじめまして、キクチ・ヒサシと申します。突然のお手紙で失礼致します。法隆寺、四天王寺は、わたしの愛する寺であります。子供の頃、あなたの真似をしようとして、同時にわたしに話しかけるようにと家族にリクエストして、笑われておりました。まだ道半ばではございますが、わたしは、夢の中で、あなたの七星剣が石碑に刺さっているのを視たものでございます。その六年後、「クリスマスに降る夜」という短編小説で、その文学時空間の中で、ついに七星剣を抜くことができました。ありがとうございます。油断せず、精進し、自らを鍛え上げていく所存であります。この電子空間に、わたしはコトバの塔を建築しております。古の知を現代につなげ、人々のライフラインとなるコトバを刻み、文化建築の一助となるつもりであります。わたしは、大阪の巨大建造物を建てた日雇いの人々と親しく交わる業務に、ついておりました。それらの建物は、老朽化し、税金の無駄遣いと言われ、建築に携わった現場の民は、年を取り、忘れ去られ、生活保護を受けて酒におぼれ、失意の中におりました。建物はたくさんある、物もたくさんある、しかし、街がまるで焼野原のように、当時のわたしには見えました。なにかわかりません。そうした折りに、東北大震災が起こりました。わたしの故郷の建物は、崩れ、燃え、流れました。アパートの屋上から大阪の街を眺める日々が続きました。焼野原が見えました。そして、真に打ち建てる必要のあるものは何なのか、そのような問いが響き、以後、ささやかですが、内側の建設を生涯の事業にしようと試みてまいりました。

コトバの塔
「外側の建設は、もう終わったことがはっきりしました。今必要なのは、内側の建設です」
女が背後の暗闇を指差す。その指の先に、巨大な塔が輝いていた。暗闇を押しのけ、堂々とその空間を占めていた。塔の頂上は鋭く尖り、天を指し示している。高さはロンドン塔に並ぶが、幅が広く、より有機的で、全体は、カブトムシのさなぎに似ている。表面が黄金に発光し、内部が液状に流動しているのが透けていた。まだ完成していないのかもしれない。

塔から目を転じて、女に視線を向けたつもりだったが、そこにいたのは馬だった。銀色のたてがみをし、大きな瞳で彼を見つめていた。馬は踵を返すと、輝く塔に向かって駆け出す。彼は馬の後を追った。

親鸞上人が、あなたから学んだように、わたしも学ばせて頂いています。彼は、夢告を受けて、形式的仏教を破壊し、真に生きた哲学を人類史に刻みました。それには及ばなくとも、わたしの生命に授けらている限りで、見張り塔をコトバで建築し、永代常夜燈を内面世界に灯し、科学と伝統が平衡する「自然法爾」の道を模索し、歩んでいくつもりです。どうか、わたしの生命が、運ばれていく道から外れぬよう、お見守りください。すぐにビールを飲んでしまうのです。どうぞ、よろしくお願い致します。七星剣をお借りした物語は、下記になります。御覧頂ければ幸いです。

「クリスマスに降る夜」

内容紹介

*書き下ろし短編小説

クリスマスの夜、瞳の中の万華鏡に魅入られた男は、夜に融け込み、流星となって降り注ぎ、意識をめぐる冒険に踏み込んでいく。
夢と現実、イメージと物、部分と全体、個と星、生と死、天空と地下、娼婦と王妃。名のない男と王。光と影。不連続に思えた星々が、天空に北斗七星を描いていく。現代の英雄神話。

1窓に映る光の絵
2瞳の中の万華鏡
3星座
4復活
5黄金の雨
*王妃の影
*内界Ⅰ
*意識交代と逮捕
*独房と時空連続体
*内界Ⅱ
*接吻
*七星剣と虹
表紙絵 グスタフ・クリムト「接吻」

towerpray

・コトバの塔
・内的宇宙開発事業(出版レーベル)
・Auroraダイガクこれらの創建におきまして、古の賢者の力をお貸しくださいますよう、重ねてお願い申し上げます。

2016-06-15 11.20.38

2016-06-16 10.56.52

追伸

お近くに参りました折り、猫のお姿で現れになって、その堂々たる風格に無心龍動いたしました。上記の写真に写ってくださったお姿、あなたに違いないとわたしは思っております。次回は煮干しを懐に参上いたしますので、何卒、よろしくお願い申し上げます。(魚を焼くのを趣味にしようかと思案しております故、ご希望がございましたら、夢の中でも構いませんので、何なりとお申し付けくださいませ)

キクチ・ヒサシ

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